Innovation Strategy Times

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バークシャハサウェイの投資ポートフォリオ

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ウォーレンバフェット率いるバークシャハサウェイのテック関連の投資ポートフォリオの割合が2017年のQ3からQ4にかけて変更があった。 Apple株を買い増して、IBMを引き下げた構図だ。  

バフェットの投資戦略として、市場のダイナミズムが大きく予測が困難なテック市場は基本的に避け、安定的にフリーキャッシュフロー(FCF)を生み出すエスタブリッシュな企業に投資する。 とはいえ一部投資も行うようになりその候補がApple, IBM, Verisign, Veriskの4社となる。

バフェットがAppleを好むのはユーザの圧倒的なロイヤリティー、エコシステム(App Store, Apple Music, iCloud, AppleCare等)、そして安定的な収益源を保持しているからとのこと。 ※The Streetでは“recurring revenue stream(リカーリングレベニューストリーム)”と言っている。 この表現、本当によく見るし、SONYなんかも提唱するようになった。  

一方で、IBMはスタートアップとの業務提携やM&Aを推し進めているが、クラウドではAWSが、ソフトウェアではMicrosoftOracleが、サービスではAccenture、とそれぞれ強い競合と対峙していることが、たとえメインフレームにおいて安定的な収益を得られるとしても、長期的な視点ではバークシャの投資戦略と合致しないのだろう。  

残りのVerisign, Veriskの2社は顧客との長期的な関係を構築していることが長期的観点では予測がつき、好ましいとのこと。 それは同時にプライベートエクイティ(PE)からも狙われやすいということでもある。